音楽集V
- プロローグ
- アベルのテーマ
- 沙織の決意
- 女神の死
- 神々への挑戦
- 灼熱の聖闘士
- 冥界
- フェニックス幻魔拳
- ジェミニの反逆
- 不屈の闘志
- 対決
- アテナ転生
- 太陽神殿の崩壊
- You are my reason to be
~愛は瞳の中に~
劇場用音楽集4作の中でも唯一劇場用BGMで構成された一枚である。映画自体が長編だっただけにBGMもかなり長いものとなっており、TV用音楽集と合わせても3番目にはいる曲数の多さである。一貫して劇場用3作目「真紅の少年伝説」のイメージを保っており、聞くと映画のシーンが蘇るようである。
星矢の人気が最高潮で数多く出回ったせいか、CDもよく見かける。オークションなどで見てもそう高くはなっていない。たまに中古店でも見かけるほどである。定価程度で買えるので、非常に手に入れやすい一枚だ。
この音楽集で最大の話題といえば、「プロローグ」だろう。音楽集Vの幕開けを飾る一曲目のさらにその出だしはかなりドラマチックに始まる。この前奏部分は日本テレビの番組「いつ見ても波乱万丈」で使われていたことから、聖闘士星矢BGMと知らずとも、この前奏部分だけを知っている人も多いのではないだろうか。
学生のとき、ゼミ室でこの前奏をかけたところ、居合わせた学生全員が「どこかで聞いたぞ。」といってくれたので、一人にやけていた。聖闘士星矢の音楽だといったところ、驚いていた。
続く「アベルのテーマ」は実際には映画ではハープバージョンが使われていたが、それは残念ながら収録されていない。普通のオーケストラバージョンが収録されているので残念だ。それは後に音楽集VIIIやメモリアルコレクションなどで聞くことができる。
また、この音楽集からは個人的に名曲が1つ。「アテナ転生」である。いろんなバージョンが全14曲の中にちりばめられている。もちろん、一番好きなのは最後の「アテナ転生」である。冊子に書かれている横山氏による楽曲説明では映画のシーンを思い出しながら聞くのがいいそうだ。
当時、知り合いから借りて聞いていたことがあるが、何年経っても覚えていたのは「アテナ転生」と「You are my reason to be」ぐらいである。それほどの名曲なので、薦めずとも記憶に残るだろう。
ジャケットの表紙と裏表紙には映画のポスターに使われた絵だ。これは聖闘士星矢やアニメに限らずよくあることである。BGMを聞きながら見ると意外に迫力を感じるのだから不思議だ。特に裏表紙の方は。
作中では激しい戦闘が続いたせいか、非常に曲調も激しく、力強いものが多い。再び横山氏のライナーノーツを引用すると、「ストレートに絵と対決してみました。」とのこと。迫力のある展開にこった技巧を重ねることなく、シンプルに表現してみようということか。その成果は聞いてみて納得のものだろう。
ラストの「You are my reason to be」は、初めて映画を見た時にはよくわからなかった。リアルタイムで劇場には見に行けなかったが、その後レンタルで何度か見たが英語に疎い時分には分かりづらかった。その後、大学生ぐらいになると「あ、こういうイメージだったのか、」というのがようやくわかりかけてきた。理解が我ながら遅い。